芋焼酎は芋を蒸気で蒸し製造するが、この「焼き芋焼酎」は芋を焼いて製造する。伝統技術集団「黒瀬杜氏」が醸す。
雑味が無く、味、香りとも芳醇で、甘さが適度にあって切れが良い。そして全体に「焼き芋」の特徴である、香ばしさが柔らかくあり、神経の行き届いた精密な焼酎となっている。
焼酎を仕上げる量だけ芋を焼くため、24時間交代で焼き続ける。苦労の末にこの個性のある焼酎は出来上がっているのである。
「焼き芋焼酎は焦げ過ぎても良い焼酎にならず、きれいに焼いても香りが出ず、長年の製造の上で最適な焼き方で製造しております。出来た37~38度の原酒
を昼夜2日間マイナス5度迄冷却し手作業で不純物を除去しております。そうやって詰めた焼酎は詰入り後、日が経つほど、香り、甘味が増し悪酔いの少ない焼酎となります。夏はロック冬はお湯割でお楽しみ下さい。
黒瀬杜氏の伝統の技術と魂が込められる
「黒瀬杜氏」は明治初年に薩摩半島南西部海沿いの町、鹿児島県川辺郡笠召沙町黒瀬の地にうまれた焼酎技能集団。海に面し山が迫ったこの地には耕作地が少なく出稼ぎによる焼酎造りが暮らす人々の財政基盤となった。この技術集団は主要期には400人はどにも達し、鹿児島県はもちろんのこと、九州一円、さらには四国まで焼酎造りに出かけ、その技術を広げて行ったという。現在は出稼ぎによる酒造り制度の衰退により現役の黒瀬杜氏は20人ほどになった。